2009年度勉強会の内容
■第一回<波頭亮先生>

◆概要
メンバー自己紹介、および講師紹介を通じ、LIPという勉強会の意義、この会で学んで欲しいことを波頭先生に語っていただいた。
◆講義内容
<自己紹介>
・(自己紹介1分+ 波頭先生のコメント2分)× 18名
・所属、LIPに参加した目的、最近の問題意識などについてメンバーの自己紹介。それに対する波頭先生のコメント。
・文系就職する理工系学生が多いことに対して:研究の先になにも無いとは思わないで欲しい。誰かが愚直にトライし続けないと開けない扉の向こうにこそ、本物の価値ある何かがあるのだから(cf. 西川伸一博士、中西準子博士)。
<LIPの思い>
・人間として目線の高い生き方をして欲しい。
・社会を支える屋台骨になってもらいたい。
・とにかく一番になろうとし続けて欲しい。
・自分という存在を楔のように社会に打ち込んで欲しい。
・できたらinnovativeな人間になって欲しい。
・そのために、高い目線をもって生きるということがどんなことか伝えたい。
・すさまじくも潔い生き方をしている本物の生身の人間を紹介し、凄さを肌で感じてもらうのが一番いいと考え、LIPをはじめた。

勉強会の感想はこちら≫
■第二回<山崎元先生>

◆概要
12回の転職を経てなお存在感ある経済人として輝き続ける山崎先生に、職業感とキャリア形成の方法論について語っていただいた。
◆講義内容
<職業観>
・仕事のやり甲斐- ①他人の役に立つ実感、②仕事力の成長の実感。
・学ぶ楽しみと教える喜びを仕事の中に見出せると楽しい。
・会社は取引先、自分は個人商店と考えるとうまくやっていける。
・自身の価値観、倫理観に基づいた判断を貫いたほうが人生の軸がぶれにくい。
・山崎先生の軸:「社会の不公正、不公平なからくりを暴き、楽しくて面白いことを一人でも多くの人に伝えたい」。フェアなグラウンドを作ることに対して一貫してこだわり続けておられる。
<キャリア形成について>
・転職はよりよいキャリア形成のためのツール。
・新卒の段階での適職探しは中々難しい。まず試しに働いてみて、合わなければ転職すればいい。終身雇用は過去のもの。
・とはいえ、28歳が「職」(専門性)を決めるタイムリミット。能力のピークが到来する30代前半で実績を作るためには、この時期までに仕事を覚えた状態になっていたい。
・能力の個人差が大きくなる30代前半は、同時にキャリアアップのための転職適齢期。軸をしっかり定めてキャリアを磨くべき。
・転職における高い人材価値とは、①顧客網、知名度、「脳力」などをもっていること、②能力が現実の仕事で証明されていること。
・ちなみに、同じ能力なら若い方が人材価値は上。
勉強会の感想はこちら≫
■第三回<中丸三千繪先生>

◆概要
不屈の努力で世界的歌手の座を確立され、今なお世界をまたにかけご活躍される中丸先生に、ご自身の心構えや人生観を語っていただいた。
◆講義内容
<心構え>
・どんなことでも「出来るまで決して諦めない」。出来るまでやれば諦める必要はないし、苦労を苦労と思わなくて済む。
・自分とよく作戦会議をし、戦略的かつ徹底的に人生計画を立てる。
・考えうる最悪の条件を想定し、「人の100倍」努力する。
・小さな目標達成で喜ばず、もっと上を目指し頑張り続ける。
・常に頭を使い、常に新しいことにチャレンジし続けるべき。どんな些細なことにもいつも意識を傾け、注意を払うとなおよい。
・人と比べるのではなく、常に自分自身と勝負する。
・昨日より今日、今日より明日。
・昨日の自分より1%でも多い刺激を今日の自分に与えようと意識する。毎日一つ何か新しいことに出会わないとダメ。
<人生観>
・物事は絶えず前向きに考えれば不思議と好転する。
・人と違うことをしないと面白くない。
・何のために仕事をするのか、何がしたいのか。考えることが大切。
・仕事は学生のうちからでも出来るし、人に仕えることなど簡単で誰にでも出来ること。大切なことは、「他の誰にもできない自分だけの生き方」を探し、実践すること。
・様々な分野の方との交流を通して得られるものは財産になる。大いに社会と交わり、オリジナリティーある人生を歩んで欲しい。
勉強会の感想はこちら≫
■第四回<岸本周平先生>

◆概要
日本を本気で変えようと恵まれたポジションを捨てて政治家に転身された岸本先生に、事を成す上での覚悟と心構えを語っていただいた。
◆講義内容
<何かを成す上で大切なもの>
・動物的な「意欲」。自分の中で眠っていた「遺伝子」のスイッチをonにすること(cf. 村上和雄博士(筑波大))。スイッチが入るとどん底から這い上がるエネルギーがDNAレベルで沸き起こってくる。このプロセスを経ることが重要。
・先生曰く、ネガティブな状況に身を置き、何がしかのステージを変えたとき眠っていた「遺伝子」のスイッチがonになる。
・先生の場合、①渡米と②落選により遺伝子のスイッチが入った。
・①天下りひとつなくせない役所を外から変えようという「意欲」が沸き、帰国後、大蔵省からトヨタへ移った。奥田さんの政策ブレーンとして外部から霞ヶ関を変えようとするも失敗。
・②改革に抵抗する自民党と霞ヶ関に失望し、根本から権力構造を変革しようと民主党から出馬するも、あえなく落選。長い落選生活中に二度目のスイッチが入り、innovativeに4年間選挙戦を展開。今年の選挙で初当選された。
<心構え>
・これからの10年で日本の礎は大きく変わる。何のために働き、生きていくのか。志をどこに置き、どう自身を鍛えるのかよく考えるべき。どこに入るかではなく何をするかが重要。
・何か事を成す為、常に前向きに取り組む姿勢と強さを持ち続け、これからの10年、まずはやりたいことを全力でやって欲しい。
勉強会の感想はこちら≫
■第五回<竹山聖先生>

◆概要
早くから日本を代表する建築家としての名声を確立された竹山先生に、ご自身の価値観や建築というものの魅力について語っていただいた。
◆講義内容
<価値観>
・自分ならどうするか、という独自の視点を真剣に持つ必要がある。
・環境が才能を磨く。どのような環境に自分を置くかが重要。
・来るもの拒まず去るもの追わず。自分の心に正直に。そして機会が着たら全力で。
・20代から自身の責任で物事を決する場数を数多く経験できたのがよかった。人間としての強さが磨かれた。
・金銭や効率を重視した生き方は面白くない。無駄と思われかもしれないことでも志を高く保ってやることに意味はある。効率重視では高み至ることはできない。
・若いうちは自分のために時間や労力をどんどん使うべき。40、50歳になったら今度は後進に自分の得たものを還元していくと良い。
<建築について>
・西洋建築(=建築)は理論と実践のある制度。絵画などと同じ表現技法のひとつのジャンル。
・通常だと住めない用な建物の内に思想をこめることが出来る。
・建築物は非合理な身体を包むスケールの大きな構造物であるため、作る側も論理一辺倒ではダメで、人と人との信頼関係などの情理も大切になってくる。
・無邪気さや童心のようなものを内に保持したまま良い仕事ができる職業。

勉強会の感想はこちら≫
■総括<波頭亮先生>

◆概要
過去5回のLIPを通じてどのようなことを伝えたかったか、会のコンセプトを振り返りつつ波頭先生に語っていただいた。
◆講義内容
<Noblesse ObligeのLIPにおける意味づけ>
・Noblesse Obligeという言葉の格調高さに気圧されする参加者も過去何人かいたはず。どの程度のObligeを求めているのか周知徹底。
・『Noblesse Oblige的精神を持ちつつ1番を目指す姿勢』を大切に。
⇒
【Noblesse Oblige的精神】
■全人格的な公益への奉仕までは求めない。
■ただ、少しは人の為になれないか考え、少しは「公」を意識する精神をもって欲しい。
【1番を目指す】
■事を成したあかつきには「公」に多少なりとも貢献できるよう、とりあえず1番になることを目指
すべき。
■1番を目指すベクトルが世のため人のためになる方向であって欲しい。
<フリーディスカッション>
Q. 世の中なぜ正しきことを成す事が、必ずしも常に善とはならないのだろうか。
A. 深いテーマ。人の心の深みに目を向けるべし。不合理で利己的な人々の本心に。嫉みもあり、妬みもある。世の不合理の裏には人の心の不合理あり。合理と情理、合わせて一つ。事を成したいなら、この両方の理をしるべし。

勉強会の感想はこちら≫ |